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April 04, 2016

岡山兵庫建築の旅 Ⅰ 閑谷學校の塀の丸い断面は?

家づくり学校では毎年、年度末に修学旅行を行っている。
建築が好きな人間ばかりが集まっての旅行は本当に楽しい。
今年は岡山県の建築見学で、例年通りの大盛り上がりだった。

何回かに分けてのその報告です。
第一回は閑谷(しずたに)學校。
閑谷學校とは備前藩、今の岡山県の殿様池田光政が1670年に創設した学校。
この学校はなかなか面白いところがあって、
・侍も百姓の子も学ぶことができた。
・藩の会計と独立した学田を所有した。(国替えや絶家のが起こっても学校だけは存続できるようにするため)

この閑谷學校、一般にはそう知られてないが、建築家で好きな人は多い。
日本の好きな建築は何?という質問で、その一つに閑谷學校と答える建築家が結構いるほどだ。
全体的印象としては静謐でピリッとした雰囲気が漂っている。

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仕事は丁寧で何度かの修理もあったと思うが、狂いや隙が少なく相当に気合が入った、いい仕事をしている。
現代の経済至上主義から生まれる建築とは真逆のものだ。
それはかつての日本人の矜持、またこの学校が儒教を教学としていたことによるのかもしれない。

閑谷學校で特徴的なのは備前焼の赤い屋根瓦と、丸まった石の塀。
中国地方には赤い瓦屋根が多いから、
赤い屋根の方はアリかなと思えるが、この丸い石塀は他で見たことがない特徴的なもの。

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この石の塀が何故丸いのか、今回案内して頂いた方の説明で初めて分かった。
それは、江戸幕府は一国一城(一つの藩には一つの城しか作ってはならないというお達し)を定めたが、
幕府に 対し、この石塀は城の塀など建築物をのせるためのものではない、と説明できるように丸くしたものだとか。
今まで何となく不思議に思っていたが、そういうことだったのかと、納得。

それにしてもこの石塀は3~400年たっているのだが狂いがほとんどない。

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それでも近年近くにバイパスが通り、振動で少し狂いが出てきたが、案内してくれた人の子供の頃はもっと ピッタリとした石組だったとか。
内部は割石が入っているとのことで、植物の種が入っても育たないように一個一個洗って入れたらしい。
この塀が何百年経っても狂いが少ないのを見て、相当に基礎をしっかり作っているはず、というのは建築家の直感だったが、最近の発掘調査の写真を見せてもらったら、やはりその通り。

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すごい基礎で、むしろ地中の方が高さがある。
かつての人は何百年も持たそうと本気で、建築を作っていたことがひしひしと伝わる建物だった。
こういう精神性は時代が変わっても大事だ。

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Comments

凄いですね。建学の精神を並べ立てるより、説得力があります。良い状態で残っていてよかった。

Posted by: おじゃま虫スズキ | April 08, 2016 at 02:58 PM

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